>> Seirios > 01 / 02 / 03 / 04 / 05 / 06 > site index

BACK INDEX NEXT

5)合意

肩で息を弾ませていた凌亮が段々と落ち着いてきたのを見計らって、俺は自分の洋服を脱ぐ事にし た。
「凌亮、動けるかい? 服を脱ぐから……」
「ちょ、ちょっと、待って」
やおら動き出した凌亮は手じかにあったタオルで自分が放った精液を拭き取り、便器に座ったままの俺の方を向いた。
「俺が脱がせるから、じっとしてて」
「脱がせてくれる?」
凌亮は愉快そうに笑いながら、「役得でしょ?」と、言った。
「どっちが?」と、笑いながら言うと、
「ふふ、どっちもさ」と答えた。
俺は、嬉しそうに笑い「では、お言葉に甘えて……」と返した。

凌亮は丁寧に、俺の洋服を脱がせてくれた。
ボタンをゆっくり外し、腕を抜こうとすると、肌が露になりかけ腕にキスを浴びせながら、シャツを脱がしてくれた。
ズボンのベルトに取り掛った時、彼は俺のペニスをパンツから引き出して、両手を添えて握って、顔を近づけていった。
そして、もう我慢できないといった表情で俺を見上げ、
「しゃぶっていい?」と懇願してきた。
「我慢して、って言ったら聞くかい?」
「……嫌だ」と、不満を言った。
凌亮は会話の最中も、俺のペニスを触りつづけて、結局、こちらの返事も聞かずに口いっぱいに頬張った。

「うっ、う……」
凌亮は、短い声ならぬ声をだして、亀頭部分を口を窄めて吸ったりしていた。
さすがに、先ほどの凌亮の姿態を見たあとの、後なものでいきそうになるのも時間の問題のように思われた。
それでも俺は、
「服を脱がすのに凌亮は、手はつかわないのかい?」と彼に言った。
凌亮の舌はまるでアイスクリームが溶けて流れ出したモノを掬い上げるように、根元から亀頭部分へ這わしていった。そして、彼は「こっちの方が得意なのさ」と口の周りにベットリとついた唾液を拭きながら答えた 。

俺の黒く滑ったように光ったペニスからは、欲望の白い液が洩れ始め、凌亮はそれをすくい拾うように自分の顔に擦り付けていた。
「あぁ、ぁぁぁ〜」
と、言葉にならない声を発し、俺ペニスを自分の喉の置くまで差し入れては、抜き、といった行為を頻繁に繰り返し行うようになっていった。俺の方も、微妙な揺れで上下する頭部を見ていると、段々とそれに合わせて呼吸を合わせ、彼の髪 の毛に指を差し入れ、ゆっくりと撫でた。彼の動きと俺の動きが徐々に一体化していく感じになった頃、凌亮は徐に握っていた左手を外して 、自分のモノを握り扱き出した。お互いが競うように体を動かし、波に乗り出した時、俺は登りつめ、同時に凌亮もいったようだった。

凌亮は、ややぼんやりとした顔つきで俺のひざの上でぐったりとしていたが、急に、
「ごめんなさい……染みになっちゃうかな?」と、すまなさそうに言った。
彼が放った精液は見事、俺の脱がしきれなかったズボンへ命中していた。
「大丈夫だろ? それに明日の服は用意してきたから」
俺は、さもありうる事だというようにさりげなさを装って、彼を諌めた。
「流石は、準備に抜かりはない」
「あぁ、だから……気兼ねなくできるよ?」
「そういうところが、好きさ」
凌亮は自慢できるところだといった風に、やや鼻を上にあげて顎をしゃくってみせた。
「待ちくたびれたよ、今日はうんと、サービスしてくれなきゃ嫌だなぁ」
「君を心配させた、罰ってことで今日は頑張るかな?」
ピンクがかった大理石の床の上にアグラをかいていた、凌亮の両脇に手を差し入れ上へと持ち上げ た。

「ベットへ行くかい?」
「今からじゃ、間に合わないよ?」
「ふふふ、間に合わないの?」
「そう、間に合わないのっ! ……3回はしてもらわないと、ねっ!」
凌亮はいたずらっぽく笑いながら、両手を首に回して俺の顔をややピンクがかった舌で舐めてき た。

彼の滑った舌の感触が首筋に、ゾクゾクした感覚をもたらしてくれたのは、俺への行動のスイッチのような気がして、彼の首を左手で掴み、右手で彼の臀部を撫でるように下ろしていった。
凌亮はその感覚に身を任せるように、更に体を押し付けて、俺の耳の中まで舌を入れ始めた。
俺は、指で彼の一番敏感な部分を少し、触った。凌亮は吐息とも、声ともつかないものを口から吐 きだし、更にきつく、俺を抱きしめてきた。
人差し指を徐々に摺りいれるようにしてやると、大きなため息を漏らした。

「なんだ?、もう準備万端じゃないか」
と彼の首筋に息を吹きかけるように言ってやると、ビクつく様に反応し、片足をあげて俺の身体に巻きつくように絡めて押し殺したような声で言った。
「欲しいのは、俺の何? ……身体?」
「そう、いって欲しいのかい?」
俺は答えながら、入り口付近でなでていた指を思いっきり、中へ差し込んだ。
「あぁぁぁ」
と声をあげながら、身体を仰け反らした。
「……まだまだ、入るね、もう1本入れようか?」
彼のペニスも俺のペニスもお互い腹の上で硬くなり、お互いの身体が動く度に、擦れあい熱を帯びてきた。まるで、熱にうなされる様に。
「あぁ、もうだめだ。……がまん、できないっ! は、はやくっ」
俺は彼をシャワールームのガラスでできた扉へ背中を押し付け、彼の腰を少し浮かせ、入れていた指を抜くとすぐに彼の腹で別物のように固くなったペニスをすっかり溶けてしまった入り口へと差 し入れた。

「さっきの、答えは……聞きたくないのかい?」
お互い、喋るのももどかしいのに、会話しようとしていたのは、きっと『琳』のことが蟠りとなっ て残っていたからだろう。
「…こ、こた・え?」
凌亮の熱に浮かされたような浮かれたような返事をした。
「俺はねぇ、欲張りなんだ……凌亮のすべて」
「あぁ、あげる、あげるよ。だから……」
俺ももう殆ど凌亮のしゃべっている言葉が理解できなくなってきていた。下半身の中心が沸騰する ように熱を帯びだし、滑ったように全身から汗を吹き出した凌亮の身体が次第に柔らかくなってお 互いを飲み込もうとする蛇のように絡まっていった。

「ねぇ、名前……呼んで」
熱に浮かされたように俺の名前を呼ぶ凌亮は、腰を振り、
「呼んでるよ、凌亮」
「もっと、だよ。ずっと、呼んでて」と大きな声で自らに言い聞かせるように叫んだ。
そして、暫くすると甘ったるい凌亮の声がバスルームに響き渡った。

BACK PAGETOP NEXT

Designed by TENKIYA